私が静床ライトに出会ったのは、2001年のこと。
大手紡績メーカーに訪問した際に手にしたのが防音カーペット「静床」のパンフレットでした。
当時世の中に「防音カーペット」はもちろん、防音対策の知識も製品も全く知られておらず、そのパンフレットを見て、
「こんなすごい製品があるのか!」と感動したことを覚えています。というのもその頃、私自身が2人の娘の子育てをしており、子供の足音で近隣の方に迷惑になっていないかと感じていたためです。
また知り合いの中には、子供の走る音で下の階から苦情があったために床の上に段ボールを敷いているという衝撃的なエピソードを聞いていました。
そうした自身の経験や周りの声から、静床に大きな可能性を感じ、Yahoo!オークションで出品することにしました。
驚くほど沢山の方が騒音トラブルで悩んでいた
Yahoo!オークションに出品した直後、これまで見たことがない程の大量のウォッチリスト(お気に入りボタンのようなもの)が。想像以上に沢山の方が購入してくだったのです。
普通の主婦が個人出品でだしていた防音カーペットのヤフオク出品で
同時に、音のお悩みについて数々のご相談をいただくようになりました。
「社宅に住んでいますが、子供の走る音でトラブルになり、社宅を追い出されそうなんです」
「下の階のタクシーの運転手さんに私の生活音がうるさいと、ドアを蹴られて怖いです」
「騒音の苦情を言われて引っ越すしかないと諦めていましたが、こんな商品があるのですね!」
『私は騒音で悩む方の力になれる存在になりたい!』という想いが強くなり、ヤフオクで防音建材を販売後
遂に2003年夏、防音専門ピアリビングとしてサイトをオープンしました。
▲オープン当初(2003年)のホームページ
防音カーペット「静床」から「静床ライト」へ
しばらくして、静床の開発者とお話をする機会があり、私は静床という商品についてさらに深く知ることになります。
最も衝撃を受けたのは、静床は振動音を軽減させるために、建物の揺れを防ぐための免震構造を応用して作られていることでした。
▲免震構造を応用した3重バッキング構造に
免震構造は地盤と建物の間にゴム等の免震装置を設置することで、揺れそのものを防ぐようにできています。静床はその構造を活かした3重構造になっており、バッキング層内のガラス繊維1本1本を自立させることで、上からの振動が下に伝わることがないようにしっかりと吸収してくれる仕組みとなっているのです。
*免振構造とは(一般社団法人日本免振構造協会参照)
https://www.jssi.or.jp/menshin/m_kenchiku.html
ただ厚みがあるだけじゃなくたった1枚のカーペットの構造でもしっかり考えられていることに
私は改めて静床の品質の高さに強く感動したことを覚えています。
同時にお客様からの声を参考により良いものができないか、と試行錯誤しました。
そのような中、これまで販売していた「静床」が廃盤となり、その在庫はすべて私の手から販売をさせていただき
同時に時代とともに「静床ライト」に生まれ変わることになりました。
静床と静床ライトの大きな違いはカーペットの厚みです。静床は12mmに対して、静床ライトは9.5mmと2.5mmほど厚みが異なりました。
「静床ライト」に生まれ変わった理由は2つありました。
1つ目は、生活様式の変化によるものです。当時バリアフリーが流行り始め、出来るだけ床の段差を解消した方が良いという話があがりました。一方で、静床はカーペットの中では非常に厚みのある商品でした。
2つ目は、商品の価格です。当時お客様の中には、「静床は値段が高くて買うことができない…もう少し低価格で購入することはできないか?」と言われる方もいらっしゃいました。
そこで新しく開発したのが「静床ライト」です。
静床ライトは厚みを減らしたにもかかわらず、LL-40という高い防音効果を誇っていること、静床に比べ手軽に購入できるというコスパの良さから、一躍人気商品となりました。今ではピアリビングの看板商品となっています。
お客様の要望に応じて商品の開発に尽力
その後、私はお客様からの要望からある商品を開発しました。それが、ペットの防音対策に効果的な防音カーペット「静床ペット」です。
静床ペットは犬や猫の爪が引っかからないように、表面のパイル(毛の形状)をループ状ではなく、お客様からの要望が多いカット状にしました。
また「消臭機能」を追加することで、ペットの臭いを気にすることなく防音できる商品にしました。
この消臭効果は3つのにおいを消すことができるカーペットとしては業界初のトリプル消臭機能がある優れものでした。
静床ペットはありがたいことに、一部のお客様から絶大な支持をいただきました。
ただしばらくして、当時はペットを飼っている方がそれほど多くなかったということもあり
まだまだ商品開発としては課題もありなくなく廃盤することになったのです。
その後、静床ライトについてはカラーバリエーションを増やしピアリビング限定のカラーを作ったり、細かな改良を繰り返し現在の姿となりました。
一方でお客様からの声で挙がっていたのが静床ライトより厚みのある「静床の復活」でした。
カーペットの厚みを減らした静床ライトを好む方がいる中で、「厚みよりも防音効果を重視したいから静床がほしい」という声も多数いただきました。そこで新たに開発したのが、「静床プレミア」です。
▲「静床」と「静床ペット」の良い面を兼ね備えて誕生した「静床プレミア」
静床プレミアは静床と静床ペット、2つの良さを掛け合わせてできた商品です。
静床の『厚み(防音効果)』と静床ペットの『カットパイル』『消臭機能』、どちらも取り入れた新たな防音カーペットになりました。
またパイルが長いほうが風合いがやわらかく防音性もあがるのと時代にあわせたナチュラルテイストのカラーにしあげています。
昨今は昔に比べて多くの方が、「音」に対してさらに敏感になりました。
昔にくらべると人々の生活のパターンが朝おきてお昼うごいて夜寝るというくらしから
24時間のスーパーあるように1日の生活がそれぞれになったのも要因と思われます。
普段ならさほど気にするほどでもないような
足音や椅子を引きずる音、掃除機、などの生活音でさえ、下の階の方に響いて騒音トラブルになることが頻繁に起こっています。
とくに自身から発する音としていくら声をあげず静かに生活しても
床に関しては音をたてないということが100%難しいため騒音トラブルが起こる前の
対策で一番はじめにおすすめなのは「床」で階下への対策。たとえ1階での生活でも
躯体を通してやはり上の階にも音が響いていくのでやはり対策が必要と思います。
コロナというものが世の中にでてさらに生活様式が変わりストレスがたまりやすい今
私たちピアリビングができる最大の使命としてせめて少しでも
お客様が安心して暮らせる環境を造ることができるように尽力していきたいと心から思っています。
株式会社ピアリビング 代表取締役社長 室水房子