2006年頃、楽器の防音対策をしている方からあるご相談をいただきました。
このころお客様のご要望にあわせていろいろな商品を制作をしていて
サーバー用、犬小屋、ピアノの下やデスク用などあったのですが
今も人気があるのが窓用の防音パネルになります。
初期は出窓の音もれ、断熱などの目的で
このようなものができました。取っ手は木製で引き出せるタイプでした。そのあとは引き出せない木製の取っ手なども使用していました。
オーダーがあるときだけ制作をしていたのですが次第に防音カーテンの需要から
さらに窓の対策をしたいという要望も増えてきました。
なかには1部屋を完全な音楽室にしたいので窓も防音したい
「部屋を防音仕様にしたいけど、賃貸だからできなくて。窓をつぶしても良いくらいなんです」
というものでした。
部屋を防音仕様にする場合、窓は二重窓にすることが最適です。ただご相談があったお客様は賃貸だったので、二重窓の施工ができません。
ワンタッチ防音壁を開発した職人である部長(室水)は壁に設置する防音パネル「ワンタッチ防音壁」を窓のサイズにつくり、
窓をつぶす形で防音ボードを制作しました。
▲窓にワンタッチ防音壁をはめこんだ様子
それだけではワンタッチ防音壁を取り外すことができないので、無理やりワンタッチ防音壁の裏側に太い紐を通すことにしました。
ただそれでもボードの取り外しはしづらいと考え、端に木製の取手から折りたためる金属性の取っ手に変更
こちらが現在の窓用ワンタッチ防音ボードの先駆けとなります。
窓を防音する場合、結露についての課題があった
ある時お客様から、「窓に防音ボードを取り付けたらボードが結露すると思うが、問題はないのか?」というお声をいただきました。
確かに元々、グラスウール吸音材は湿気に強いものではないため、長期間窓につけっぱなしにすることで結露してカビが生えてしまう可能性があります。
そこで、ボードの裏面に結露を防止するための工夫を施すことを考えました。このようにボードの裏面に結露防止パネルを取り付けることで、長期間つけっぱなしにしてもカビが生える可能性が少なくすることを可能にしました。
スムースに出し入れがしやすいようにゴムのパッキンをつけて、こちらのゴムも
いろいろなメーカーのものを使用して現行のタイプに落ち着きました。
これまで、窓はお部屋の中で最も音漏れしやすい場所にも関わらず、対策方法が防音カーテンか二重窓の施工か、と非常に限られていました。
ただ防音カーテンでは対策できる音域に限りがありますし、二重窓の施工は賃貸の方だと難しいです。
また施工業者さんに依頼をすることなくサイズを測ってオーダーいただくと届くとすぐ窓に設置もでき取り外しも可能です。
窓用ワンタッチ防音ボードは、防音カーテンよりも高い防音効果を得られる上に、賃貸の方でも取り付けできることから、ピアリビングの商品の中で非常に人気商品となりました。
沢山のお客様から喜びの声もいただきました。
「外からの車の音で眠れず鬱になっていましたが、やっと眠ることができるようになりました!」
「近隣の方の怒鳴り声で10年以上悩まされていましたが、窓用ワンタッチ防音ボードを取り付けたおかげで、全く音が聞こえなくなりました」
「音はもちろん、断熱をされているからエアコンの効きがすごくよくなりました」
お隣がカラオケボックスでいつも眠れずご自身で段ボールなどで窓をふさいだり苦労されていたお客さまが
私たちのイベントにきてくださり、眠れるようになった!と写真までみせにきて嬉しいお声をくださりました。
正直制作をし始めたころは、窓をふさぐなんて、部屋が暗くなるのでどうなんだろう・・とか
音は窓だけではなく壁などからも聞こえてくるので効果は満足していただけるのだろうかとか思うこともありましたが
驚くほどのお客様からのお喜びのお声にうれしくて仕方がありません。
今は近隣からの音が気になる状況も増え、また楽器を楽しみたいという方も増えて
世の中にもっと喜んでいただける商品をだしていきたいですし
これからもまだまだ改良をかさねて窓用のボードも防音カーテンも開発していこうと思います。