こんにちは。

今回は「ふすまにワンタッチ防音壁を設置してみる」と題しまして

どのご家庭でも発生する音

テレビ音の対策

について紹介いたします。

テレビや動画から出る音楽や声…

ご家庭内でも気になる方多いんじゃないでしょうか。

 

まずは前提条件。

・軽量鉄骨造

・戸建て

ここにテレビの音をスピーカーから流し、

ワンタッチ防音壁の設置前と設置後でどれくらい音が軽減されるのか。

それぞれの最大値を計測して比較・実験してみます。

間取りはこんな感じ。

音を出す部屋の中にはピアノが置かれており、

隣の部屋とはふすま一枚を隔ててつながっています。

 

動画では

 ①音を出している部屋の数値

 ②防音対策前の隣室での数値

 ③防音対策後の隣室での数値

の順に検証していきます。

 

音を出している部屋の数値

最大値は80.3dB。この音量は電車の中の騒音に相当します。

当然ながら静かとは言えません。

 

②防音対策前の隣室での数値

最大60.3dB。この音量は普段の会話に相当します。

まだ一言一句はっきり聞こえます。

ここからどれほど下がるのでしょうか。

 

③防音対策後の隣室での数値

最大56.3dB。

もうちょっとだけ静かになりました。

加えてだいぶ音がこもり、遠くで喋っているような音になりました。

 

実験結果

それぞれのイメージを図と組み合わせるとこんな感じ。

②と③を比べると…

マイナス4.0dB。

楽器などの大きな音に比べて

効果の度合いをはっきり示す値とはなりませんでしたが、

動画で見ていただくと音の変化をはっきり確認いただけるかと思います。

 

さて、このこもり具合の原因は何かというと高密度な吸音材。

防音は吸音と遮音がベースになっている、という話は

このブログを見て下さっている方ならご存じかもしれませんが

ワンタッチ防音壁の得意分野は吸音。

そのため音は抜け出てしまうのですが、

音のエネルギーを奪って弱体化させているのでこのようなこもった音になるんですね。

 

では具体的に何が起きているか、ご説明しましょう。

 

難しい図が出てきました。

透過損失表といいます。

音に与えるダメージ表だと思っていただければわかりやすいかもしれません。

 

横軸は周波数。音の高さを示しています。音が高いと周波数も高くなります。

縦軸は音響透過損失。つまりは音量に対するダメージです。これが大きいと音が小さくなります。

左側にある表の左列は周波数を示し、右列は音響透過損失を示しています。

 

これを見ると、ワンタッチ防音壁の得意分野は中~高音域だということがわかります。

逆に不得意なのは低音域。

そのため低音域だけがワンタッチ防音壁をすり抜け、結果としてこもった音に聞こえていたんですね。

もっと効果を上げるためには、遮音の得意なものを組み合わせるとより良いことがお判りいただけたかと思います。

 

さらにもうひとつ。

もう一度間取り図をよ~く見てみましょう。

 

気づいたでしょうか?

ふすま以外にも開口部があることに。

ドアです。

 

音は空気を伝います。

逆に言えば空気が漏れれば音も漏れるのです。

これを難しく言うと回り込みといいます。

 

回り込みの対策は、開口部を塞ぐことが重要です。

今回の実験では一か所のふすまを塞いだだけ。

窓・ドア・ふすまを塞げば、より高い効果が得られることでしょう。

 

本当は質量則などの話も書きたいのですが、長くなってしまったのでこのあたりで切り上げます。

それでは!