ピアリビングでは日々様々な内容の防音相談や商品の効果についてのお問い合わせを頂いております。
そのうち、約4分の1が床への対策のご相談、防音マットの効果感についてのご質問です。
ピアリビングに寄せられるお悩みの中でも、
「子供の足音対策にジョイントマットや防音マットを敷いたけど効果があるのか不安…」
「ピアノを始めたいけど、防音マットでどこまで防音できるの?」
という内容のご相談が多く、たくさんの方が実際に効果が出ているのか、防音できているのかという不安を感じているようです。
今回は少しでもそんなお悩みをお持ちの方へ参考になればと思い、「防音マット」が音を防ぐ原理や効果、本当に効果があるのかどうかを解説していきます。
床に伝わる音の種類は2種類
床に伝わる音には大きく分けて2種類あります。
それぞれの特徴や対策方法を理解しておくことが、防音マット選びの大事なポイントです。
軽量床衝撃音
物が床に落ちた時の音や、スリッパで歩く音、スプーンやおもちゃなどを床に落とした時に発生する「コツコツ」「トントン」といった比較的高音域で軽い音です。椅子を引く音なども軽量床衝撃音に分類されます。

重量床衝撃音
子供が飛び跳ねる音や、大型家具を引きずる音など「ドスン」「ゴトン」といった低くて重い音が重量床衝撃音です。重量床衝撃音は床を通して振動が伝わるため、軽量床衝撃音に比べて軽減するのが難しい音です。

防音マットは効果があるの?
近年の住宅事情やライフスタイルの変化により、防音対策の重要性はますます高まっています。ホームセンターやインターネット上には様々な種類の防音マットが販売されていますが、どれを選べばいいのか、どういう基準で探せばいいのか、自分の音の悩みに効果があるのか迷ってしまうこともあると思います。まずは防音マットで音を和らげる仕組みや、防音マットの種類、どんな防音マットが効果があるのかなどを解説します。
防音マットが音漏れを防ぐ仕組み
階下へ伝わってしまう足音などの振動は、床と足が直接ぶつかることで発生します。
一度発生した振動を後から抑え込むのはかなり難しく、ほとんど軽減はできません。
そのため、まずは床にクッション性、厚みのあるマットやカーペットを重ねて設置することでそもそも振動を発生しにくくすることが重要です。

防音マットの遮音等級
防音マットの性能は「ΔL等級」という数値で表されます。
軽量床衝撃音への性能は【ΔLL】、重量床衝撃音への性能は【ΔLH】というふうに表され数値が高いほど防音効果が高くなります。
こちらの表は軽量衝撃音への性能を表した表です。

重量床衝撃音にあたる音に効果がある防音マットを探そうと思っても、重量床衝撃音は床スラブの厚さや材質、二重床構造の有無など、建物の構造に大きく依存してしまいます。
そのため、ΔLH値で試験している、またはその数値が記載されている防音マットはあまりありません。防音マットの遮音等級というのは、あくまで製品単体の低減性能を表すものなので、建物の造りや設置範囲などでも効果は変わってきます。
床に伝わる衝撃音を軽減させるポイントである、防音マットの厚み、重さ、クッション性を押さえて対策することを心がけましょう。
どのような音に効果があるのか?
生活音、足音、ペット足音などの軽量床衝撃音には高い効果を発揮できます。
防音マットは、主に軽量床衝撃音と呼ばれる、比較的高音域の音に効果を発揮します。
- スプーンやおもちゃを床に落としたときに響く「コーン!」や「カシャーン!」という音
- スリッパで歩く「パタパタ」という足音
- 小型犬の「トコトコ」という足音
- 電子ピアノの打鍵音・ペダル音
これらの比較的高い音域の音は、防音マットを敷くことで大幅に軽減することができます。
ただし、かかとで歩くような足音、子供が走る足音など、体重が乗った重い音(重量床衝撃音)には、防音マット1枚では防ぎきれない場合が多いです。
前述したように、子供が飛び跳ねる「ドスン」という音や、重い家具を引きずる「ゴロゴロ」という音など、低音域の重量床衝撃音は、軽量床衝撃音に比べて軽減が難しいとされています。重たい音を少しでも軽減したい場合は、マットを何層にも重ねて厚さとクッション性を増すことで軽減が図れます。
子供が走ったり、飛び跳ねる箇所を重点的に分厚いプレイマットを敷いてみるのもおすすめです。
音の種類別におすすめの防音マット
生活音・足音
- 静床ライト+足音マット
- 重ねたときの遮音等級:ΔLL-6
- メリット:タイルタイプかつお客様にてカットできる商品なので、部屋全体に敷き詰めることが可能です。
- デメリット:合計で約2cmの厚みになるため、ドアの開閉に干渉する可能性があります。部分的に敷く場合は、段差にご注意ください。滑り止めは必須です。段差対策には、「柔らか段差解消スロープ」の使用を推奨します。
- 足音マット
- メリット:既存のカーペットやジョイントマットの下に敷くだけで、手軽に防音対策が可能です。現在の部屋の外観を変えずに、気軽に対策できます。
- デメリット:単独での使用は推奨されません。上にカーペットやマットが必要です。床、足音マット、カーペットがそれぞれずれやすい点にご注意ください。


- サンシンフォニーⅡ
- 遮音等級:ΔLL-6
- メリット:一枚物のため、部屋全体への対策が容易です。サイズオーダーが可能で、細長い廊下にも対応できます。
- デメリット:形状が四角形のみであるため、複雑な形状の部屋全体には対応できない場合があります。

ピアノの打鍵音・ペダル音
- 快適防音マット ウッド
- 遮音等級:ΔLL-6
- メリット:厚みとクッション性があり、電子ピアノの下に敷くのに適したサイズです。
- デメリット:サイズが3種類のみのため、部屋全体への設置には対応できない場合があります。

ペットの足音
- 足音マット Woody
- 遮音等級:ΔLL-4
- メリット:木目調デザインで、ペットの足音を軽減しつつ、インテリアにも調和します。傷つきにくく、お手入れが容易です。
- デメリット:そのまま敷くとずれや滑りが生じる可能性があるため、滑り止めシートの使用や、「吸着カーペットテープ」による固定を推奨します。

- 静床プレミア+足音マット
- 遮音等級:ΔLL-6
- メリット:タイルカーペットです。表面がカットパイル仕様のため、爪が引っかかりにくいです。
- デメリット:静床ライトと同様に、合計で約2cmの厚みになるため、ドアの開閉に干渉する可能性があります。部分的に敷く場合は、段差にご注意ください。滑り止めは必須です。段差対策には、「柔らか段差解消スロープ」の使用を推奨します。

ピアリビングの防音マットで防音実験してみた
実際にピアリビングで取り扱っている防音マットを使って、防音効果の検証を行いました。
使用した商品一覧はこちら
- 防音カーペット・防音ラグ…サンシンフォニー、快適防音マットウッド、静床ライト
- 下敷き用防音マット…足音マット
- 防振マット…P防振マット

実験の結果、もともとクッション性のある快適防音マットウッドやサンシンフォニーに足音マットでさらに厚みとクッション性を増すことで効果的な軽減ができました。
また、ジョイントマット単体ではそこまで変わらなかったところ、静床ライトと重ねることで耳で聞いて差がわかるくらいの軽減ができていました。
こちらの実験についての詳しい解説記事はこちら
お客様のレビュー




FAQ(よくある質問)
Q. 防音マットは本当に効果がありますか?
A. 防音マットは特に軽量床衝撃音(スリッパの音、椅子を引く音、物を落とす音など)を軽減するのに効果的です。ただし、重量床衝撃音(子供の飛び跳ねる音や家具を引きずる音)は軽減が難しいため、厚みやクッション性を重視した防音対策が必要です。
Q. 防音マット1枚で十分な効果がありますか?
A. 軽量床衝撃音には防音マット1枚で大幅に軽減できる場合がありますが、重量床衝撃音には単体では効果が限定的です。厚みを増すために複数枚重ねたり、防振マットを組み合わせることで、より高い防音効果を得ることができます。
Q. どの防音マットを選べばよいですか?
A. 音の種類によって適したマットが異なります。
生活音・足音対策 → 静床ライト+足音マット
ピアノの打鍵音・ペダル音対策 → 快適防音マットウッド
ペットの足音対策 → 足音マット Woody
音の種類に応じた選び方をすると、より効果的な防音が可能です。
Q. 防音マットの遮音等級(ΔL等級)とは何ですか?
A. 防音マットの性能を示す指標で、数値が高いほど防音効果が高くなります。
ΔLL(軽量床衝撃音対策)
ΔLH(重量床衝撃音対策)
特に軽量床衝撃音にはΔLL等級の高いマットを選ぶのがポイントです。
Q. 防音マットはどこに敷くのが効果的ですか?
A. 音が発生しやすい場所(子供が遊ぶ場所、ピアノの下、廊下、ペットが歩く場所など)に重点的に敷くと効果的です。部屋全体に敷き詰めるとさらに高い防音効果が得られます。
Q. 防音マットを敷くとドアの開閉に影響しますか?
A. 厚みのある防音マット(例:静床プレミア+足音マットの組み合わせで約2cm)を敷くと、ドアの開閉に干渉する可能性があります。部分的に敷く場合は段差に注意し、必要に応じて「柔らか段差解消スロープ」などを活用してください。
Q. 防音マットはペットにも安全ですか?
A. はい、安全です。特に「静床プレミア+足音マット」などは爪が引っかかりにくい仕様のため、ペットの足音対策にも適しています。また、木目調の「足音マット Woody」は、ペットが滑りにくく、傷つきにくい設計です。
Q. 防音対策について相談できますか?
A. はい、ピアリビングでは無料のオンライン防音相談を実施しています。LINE・電話・メールでもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、防音マットの効果や選び方、そしておすすめ商品を紹介しました。
軽量床衝撃音は、スリッパや椅子の音など、比較的高音域の音で、防音マットで効果的に軽減できます。一方、重量床衝撃音は、子供が飛び跳ねる音など、低音域の音で、軽減が難しい場合がありますが、防音マットと他の防音アイテムを組み合わせることで、効果を高めることができます。
生活音・足音、ピアノの打鍵音・ペダル音、ペットの足音など、音の種類に合わせて最適な防音マットを選ぶことができます。静床ライトや足音マット、快適防音マットなど、様々な種類がありますので、ご自身のニーズに合わせて選んでみてください。
防音マットは、階下への音漏れを防ぐだけでなく、室内の音を吸収し、快適な生活空間を作る上でも役立ちます。ぜひ、この記事を参考に、ご家庭にぴったりの防音マットを見つけてみてくださいね。
ピアリビングではLINEや電話、メールでのお問い合わせの他に、無料のオンライン防音相談も行っております。なんでもお気軽にご相談ください。
