お部屋を防音する方法としてポピュラーなのが「吸音材(防音材)」を設置する方法。

「自作の防音室」などで調べてみると、波型のウレタンや卵パックのようなものなどが、壁に設置されているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

お部屋の中で反響する音を吸収して穏やかにするのが「吸音材」です。

壁や仕切りなどに設置するだけで音の響きを手軽に調整できるので、従来のスタジオやライブハウスなどでの使用に続き、近年では楽曲製作に伴う宅録、ゲーム実況やライブ配信に置いての環境づくりに用いる人が増えています。

ピアリビングでも吸音材を使った防音を検討している方は多く、

「貼ったけど効果を感じなくて・・・」 「いっぱいあるけど、どれを使ったらいいの?」

といったお声が度々寄せられています。

せっかく対策をするなら、効果を最大限に発揮したいですよね。

そこで今回は、吸音材の違いや選び方、効果的な設置方法について防音専門店の目線で解説します。

反響って何?

反響の分かりやすい例はやまびこです

反響のもっとも分かりやすい例えが「やまびこ」です。

やまびこは、発した音が空気を伝い山にぶつかって、跳ね返ってくる、という仕組みで起こります。

やまびこが起きる仕組み

お部屋の中での反響も同じです。

発せられた音が壁や床、天井にぶつかって跳ね返ることで、響きが生まれます。この響きが大きくなると人は耳障りに感じてしまいます。

こんな環境は響きやすいかも!

お部屋で反響音が大きくなりやすい原因は下記などが挙げられます。

  • 発せられる音が大きい
  • 空間が狭い
  • 家具などものが何もない

吸音材はこの響きを軽減するために用います。音の通り道に吸音材を設置することで、抜ける音のパワーを減衰させ、音の跳ね返りを穏やかにすることができるのです。

ちなみに、やまびこって「音をぶつける対象が固く大きな物体であること」「対象まで約300メートル程度の距離で障害物がないこと」などの発生条件があるのだそう。

やまびこが返ってくるって、結構ミラクルなんですね・・・。情報引用元:ヤッホー!!市内のやまびこスポットを巡りましたより

吸音材ってどこに設置したらいいの?

先述したように、吸音材は音のパワーを減衰させるもの。

したがって、吸音材に音をぶつけるイメージで、音が発生している向きに対して正面に設置する方法が最も効果的です。

「話している声が響くのを和らげたい」

そんな時は、話している正面の壁に、顔より少し広い範囲くらいで吸音材を設置するのがおすすめです。

音の発生源に対して、正面に吸音材を設置する。範囲は音に合わせる。

設置範囲が広がるほど、より反響が和らぎます。

また、設置する吸音材が分厚いほど、さらに反響が和らぎます。

例えば、楽曲製作などで「適度な響きを残しつつ吸音したい」というこだわりがある場合は、音の正面を中心として、設置範囲を少しずつ広げながら調整していくことをおすすめします。

音は空気を伝うもの。正面だけでなく、上下左右にも響いてしまいます。

まずは音の正面に対策をして、物足りなければ左右の壁、天井や床、そして音の背面への対策も検討してみてください。

ちなみに、正面といっても設置する高さがズレていては効果が最大限には発揮されないので、「話し声なら顔の正面」のように、音がぶつかる位置に対して正確に対策することをおすすめします。

吸音材の設置方法

吸音材を壁に設置する方法をいくつか紹介します。

テープで貼り付ける・・・テープ自体の粘着力にもよりますが、シンプルで固定しやすい方法です。ピアリビングで販売している商品だと、「コニシ」のボンドテープという商品が重みのある吸音材でも、しっかり固定してくれるのでおすすめです。テープの厚みがあるものを選ぶと、吸音材が剥がれづらいので◯。

マジックテープで貼り付ける・・・市販のマジックテープの片側を壁に、もう片側を吸音材に貼って設置する方法です。手軽ですが粘着や固定力が弱いので、軽い吸音材を用いる際におすすめです。

つっぱり棒で押さえつけて設置する・・・壁の前に並べた吸音材を押さえつけるように、突っ張り棒を天井から床につっぱることで固定します。吸音材は下(床)から積み上げる必要があるため、広い範囲に対策をする際におすすめです。

また、接着ではないので、賃貸住宅など原状復帰が必須な場所におすすめです。

ピアリビングでは、突っ張るタイプの固定部材として、ラブリコつっぱりポールカーテンポールなどをご用意しております。

ラブリコを使って壁に吸音材を取り付ける

※吸音材を直接貼り付ける方法は、既存の壁紙を痛めてしまう可能性がございますので、壁紙の損傷などを考慮した上で、設置方法を選んでいただくことをおすすめします。

よくある吸音材とピアリビングの吸音材はどう違う?

「吸音材」と調べてみると、価格も素材も、さまざまな商品が出てきますよね。どれを選んだらいいのか分からない!と混乱してしまう方も多いと思います。

そこで、よくある吸音材と防音専門店であるピアリビングの吸音材をそれぞれ解説していきます。

よくある吸音材

たまごパック

たまごパック

スーパーでお馴染みの紙製の卵パックですが、単体での防音効果あまり期待できず、卵がはいる凹凸に音が入ることで、壁にぶつかる音を拡散して吸音効果が若干得られるほどです(無いよりはあった方が・・・・くらいの感じです)。

波型ウレタン

波型ウレタン

こちらもよく見る吸音材ですね。凹凸により音をキャッチする表面積が増えるので、反響音に対して効果が無いわけではありませんが、安価なものは密度が低いことが多く、その結果「思っていたほどの効果を感じなかった」となってしまう場合も。

ラグやクッション、布団やお洋服など

これらも吸音に一役買っているのです。引越したての何もないお部屋って、かなり音が響きませんか?家具やその他荷物を搬入した後に響きが落ち着くのは、ラグやクッション、布団やお洋服などが吸音材と同じような役割を果たしているためです。

意外なところで防音って成り立っているんですね〜。

手軽に響きを軽減したい!という場合は、お部屋に物を増やしてみたり、パイルやシャギーなどの、毛足のあるラグを広めに敷いてみても良いと思います。

個人的には、吸音材を導入するよりもお部屋に溶け込みやすい対策なので、とってもおすすめです★

ピアリビングの吸音材

ピアリビングで取り扱っている吸音材は、素材や密度を重視したものばかりです。

例えば、手軽に加工して取り付けられるような軽いものでも、気泡では無く繊維状の素材を採用することで、吸音効果を高めています。また、本格的に対策をしたい方へ向けた、高密度な吸音材も取り扱っております。

湿気に強いロックウール素材の吸音材。密度が非常に高いので、中高音域の音から低音域の音まで防音対策をするのにおすすめの吸音材です。

ロックウール吸音材ロックウールボード

「ポリリーフ」は、お洋服などにもよく使用されるポリエステル繊維を使用した吸音材なので、小さなお子様がいるご家庭でも安心・安全にご利用いただける吸音材です。表面にお好みのクロスを貼り合わせることで、お部屋の雰囲気に合わせてカスタマイズも可能です。

ポリエステル吸音材ポリリーフ
グラスウール吸音材GCボード

音漏れを防ぎたいなら吸音だけじゃ難しい!

これまで、反響音と吸音についてご紹介してきましたが、吸音材はあくまでも飛び交う音を吸収して和らげるもの。「向こう側に音を漏らしたくない!」という場合には、吸音材では難しいです。

その場合は、音を遮る作用のある遮音シートの併用をおすすめします。吸音材で穏やかになった音を、さらに遮音シートでガードするイメージです。

音の響きだけではなく、壁の向こう側に漏れる音を軽減したい場合は「吸音+遮音」を重視して対策してみてくださいね。

吸音材と遮音シートを組み合わせて自作の防音ボードを作る

★DIYは難しい!という方には「ワンタッチ防音壁」がおすすめです!

高密度のグラスウール吸音材で遮音シートを挟み込んだサンドイッチ構造が、高い防音効果を発揮します。壁側はガラスクロスですが、表面は壁紙調や布調のクロスで仕上げるので、チクチクしないのが魅力。対策したい範囲に応じて、1mm単位でお作りします。

壁用防音パネル ワンタッチ防音壁

ピアリビングの吸音材(番外編)

お客様の「あったらいいな!」から生まれた商品のひとつ。先ほど紹介した、人気商品のかんたんに取り付けられる防音壁「ワンタッチ防音壁」と同じ素材・構造をベースとしたコの字型のパーテーションです。

宅録やライブ配信、ゲーム内のボイスチャットなどでの声が外に漏れるのを軽減します。まだまだ改良を続けているので、面白いアイデアが浮かんだ時は、ぜひピアリビングにお声をお寄せくださいね!

こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたパネルです。

アップライトピアノの背面から出る音をパネルで受け止めて、主に反響音やパネルの向こう側に抜ける音を穏やかにします。ピアノの背後の壁に立てかけるように設置するので、特に固定の必要はありません。

目的としては「調音」という、響きすぎるピアノの音を穏やかにするためなので、ピアノの音を外に漏らしたくない場合には、さらに広範囲での対策が必要です。

こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたパーテーションです。

応接室などで簡易的な仕切りとしてご使用いただけます。効果としては反響を和らげるほどなので、声を外に漏らしたくないという場合は、広い範囲の対策や囲いを作るなど、さらに手厚い対策が必要です。

こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたコの字型のパーテーションです。

テレビの背面に抜ける音を軽減し、テレビの正面に無駄なく音を届けることができるので、臨場感を味わいたい映画鑑賞などにぴったりです。

フェルト生地で作った折りたためる軽量パーテーションです。

効果は、タイピング音などの小さな音の反響を和らげるほどなので、仕切ることで視覚的に集中したい際におすすめです。

持ち運べる防音畳としてもお使いいただけますが、立てると簡易的なパーテーションとして空間を仕切ることも◯

効果はココスペースと同じく、タイピング音などの小さな音の反響を和らげるほどになるので、仕切ることで視覚的に集中したい際におすすめです。

まとめ

吸音材は、音の向きに対して正面で受け止めるように設置すると、最大限に効果を発揮できます。

また、なるべく近く狭い位置で受け止めるほど効果的なので、広いお部屋で対策をする場合は、パーテーションやカーテンなどで仕切りを設けて対策するなどの工夫をおすすめします。

ピアリビングでは、さまざまな種類の吸音材や遮音シート、手軽に取り付けられる防音ボードなどを取り扱っているので、軽減したい音の種類やご予算に応じて、対策方法を選んでみてくださいね。

もし「どれを選んだらいいのか分からない」と悩んでしまった時は、お気軽にピアリビングにご相談ください。取扱商品はもちろん、身近に市販されているものなども含めて、お客様のご希望に沿った対策をご提案させていただきます。いつでもお待ちしております。

音のお悩み、お気軽にご相談ください

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