ご相談内容
先日、P防振マットと静床ライトを購入しました。
テレビ 台の下に敷いているのですが、テレビ台にはキャスターがついてます。
スピーカーを台に置くのとカーペットの上に置くのではどちらの方が防音効果が高いですか?
また、テレビ台のキャスターを外した場合と外さない場合は、防音効果が高いのでしょうか?
回答内容
スピーカーの防音対策は、まずは振動を床に伝えないようにすることが大事です。
振動を床に伝えない 対策として効果がある方法は、防音カーペットの上にキャスター付きのテレビ台を置き、その上のスピーカーを置くことです。
スピーカーは、 床から離して置いた方が振動が伝わりにくいのです。
また、スピーカーを置く台も床に接する面積が少ないほうが振動が伝わりにくいので、キャスターは付いたままの方がよいでしょう。
テレビ台に振動が伝わっているようでしたら、スピーカーの下にインシュレーターや防振材を敷いて振動を抑えるようにしましょう。
防振材の種類
防振材には、防振ゴムのほか、エラストマーや高密度の多孔質材料などを使用することもあります。
防振材の種類は大きく分けて下記のようなものがあります。
防振ゴム…振動の伝達を防止するために用いられるゴム
P防振マット
フレーク状のゴムの間に適度な空隙間があり、衝撃音を吸収します。

ハネナイト
衝撃・振動吸収性に優れた制振ゴムで、衝撃を受けてもほとんど反発せずエネルギーを吸収します。
出典:ゴム通
エラストマー…ゴムの弾性を持つ材料の総称
ソルボセイン
液体の特性を固体化した、高性能振動吸収材です。
衝撃吸収力・圧力分散・振動減衰性能に優れています。
出展: プロケーブル
ハネナイトゲル
低周波領域 (21~50Hz) の防振性に優れ、衝撃吸収材・緩衝材として効果的な製品です。
何もしない時に対して、約70%の衝撃吸収力があり、一般の天然ゴムに比べて約2倍の衝撃吸収力があります。
出典:ゴム通
高密度多孔質材料…小さな穴(孔)で生成された高密度の吸音材
高密度のグラスウール
グラスウールは、リサイクルガラスを主原料としたガラスを高温で溶かし、繊維状に加工した吸音材です。
密度が高いほど、振動を伝えない効果があります。

ロックウール
ロックウールは玄武岩や安山岩といった天然の鉱石を高温で熱して溶かし、それを線維状に加工して綿の様に成形して作る吸音材です。
密度が高いほど、振動を伝えない効果があります。

グラスウールやロックウールの上にコンクリートを打設することを湿式浮床と呼びます。
この工法は、部分的な防振というより部屋全体の防振対策に用いられます。
この理論で構成して、部分的な振動対策が行えるのが、簡易乾式二重床です。

その他
100円ショップでも販売されている耐震マットとインシュレーターとの組合せ
※ゲル状のもの
出展:イエモネ
まとめ
防振材は、スピーカーに使用すると振動に対する効果はあっても、音質的にマイナスに働くケースが多いので、注意が必要です。
インシュレーターと防振材を組み合わせて、防振対策を行うことで効果が高まります。
振動だけではなく、下の階への防音対策としては、床全体に防音カーペットや防振マットを敷く必要があります。
しかしスピーカーのボリュームは抑えて、振動対策だけを考えるのであれば、部分対策でもOKです。
振動の元を断つということでスピーカーとインシュレーターの間に、防振材を追加することで振動を抑える効果が高まります。