【ご相談内容】
コロナウィルスの影響で在宅勤務をするよう になり、日中自宅にいる時間が長くなったため、 今まであまり気付かなかった隣室の生活音が気になるようになりました。
自分の生活音も聞こえているのではないかと、以前よりもストレスを感じるようになり仕事にも若干支障が出て います。
そこで、作業場となるリビングと隣室が接している壁面に防音対策をしたいと思っています。
どのような防音対策をすれば、隣人の生活音が気にならないようになるでしょうか?
【回答】
まず、賃貸アパートの構造が、コンクリート造、軽量鉄骨造、 木造では、壁の防音対策をしても効果に差があるということをご理解ください。
例外はありますが、一般的に防音効果が高い構造の順番は、コンクリート造 > 軽量鉄骨造=木造になります。
隣人の生活音が気になる場合の対策としては、次の3つの方法があります。
1.背の高い家具をお隣に面した壁に置く
2.ロックウールボードのような密度が高い吸音材をお隣に面した壁に貼る
3. 吸音材と遮音シートのような遮音材を組み合わせた防音パネルを設置する
※密度が高い吸音材と遮音シートを組み合わせると防音効果が高くなる
コンクリート造のアパートであれば、1の背の高い家具をお隣に面した壁に置く方法でもお隣からの話し声は多少軽減します。
家具を設置する際に背面を広めに開けていれば、家具の背面に吸音材を追加で設置して防音効果を高めることができます。
なお、お隣に面した壁がGL工法という方法で仕上げられている場合は、コンクリート造の壁でもお隣の話し声よく聞こえます。
その場合は、密度が高い吸音材や密度が高い吸音材と遮音材を組合せた防音ボードを設置しないとお隣からの話し声を軽減することはできません。
軽量鉄骨造や木造の壁は、コンクリート造の壁に比べて防音効果が低いので、壁の防音対策をする場合は、2や3の方法で対策を行わないとお隣からの話し声を軽減することはできません。
吸音材だけでは、音を防ぐ効果はありません。
吸音材のみで防音対策をする場合は、80kg/m3や150kg/m3と密度が高い、ロックウールボードのような吸音材を使ってください。
なお、ポリエステル繊維の吸音材やウレタンの吸音材は密度が25kg/m3~30kg/m3のものが多いので、防音効果はありません。
遮音シートのような、重量がある遮音材をサンドイッチのように挟んで防音パネルを作って設置してください。
密度が高い吸音材で遮音シートをサンドイッチすると防音効果がさらに高まります。
このようなしっかりとした対策をしないと、軽量鉄骨造や木造の壁では、お隣の話し声を軽減することはできません。
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抜粋 敬称略