みなさん、こんにちは。防音専門ピアリビングのこもりーです。
私は歌やギターを演奏することが好きで、休日はカラオケや音楽スタジオに行って思い切り音を出して練習し、ストレスを発散しています。
カラオケや音楽スタジオに行って練習することも楽しいですが、雨の日や外に出たくないなと思った日は、「自宅で思いっきり音を出して練習できたら…」と思うことがあります。
ピアリビングのお問い合わせでも、同じように「自宅で音楽を楽しみたい!」「音を気にせず出せる環境が欲しい!」というお声をたくさんいただきます。
そこで今回は、できるだけコストをかけずに自宅で音を気にせずに歌や楽器の練習できる環境を作るにはどのような方法があるのか考えてみました。
防音室を導入する前に抑えておきたいポイント
防音室を導入するといっても、闇雲にボックスを作ったり、構造がよく分からない防音室を置いてしまったりすると、思ったような効果を得られない場合があります。
防音効果を効率的に得るには、音を跳ね返す「遮音」と、
音を吸収して和らげる「吸音」を目的に合わせてバランスよく組み合わせる必要があります。
遮音シートと吸音材との組み合わせについては、こちらの記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください!
さらに、防音効果を高めるには以下も重要です。防音効果を高めるには以下も重要です。
防音効果を高めるポイント
- 音の発生源に近い位置で対策する
- 音が行き来する隙間を極力無くす
- 出来るだけ厚みや重量のあるもので塞ぐ
- 窓やドアなど、音が漏れやすい場所から遠ざける(スペースに余裕があれば壁からも離す。)

防音室のような部屋の中に部屋がある構造を作るには、上記のポイントを抑えた構造にする必要があります。
歌やギターのような空気を介して伝わる音(空気伝播音)の場合は上記のポイントが重要ですが、ピアノや低音楽器など振動音(個体伝播音)や重低音が発生する楽器の場合には別途、床を浮かす構造など別のポイントも重要となります。
ぜひともこれらを踏まえた上で、防音室を検討してみてください。
何か不明なことがありましたらいつでもご相談くださいね。
では、防音室の導入方法をご紹介していきます!
方法① お部屋の一部を防音室化
1つ目は自宅のクローゼットや物置などすでに部屋のように仕切られている場所の防音効果を高めて防音室にしてしまう方法です。
すでにある壁や仕切りなどを利用して、より狭い空間を防音室化させることで手間やコストを抑えた対策ができます。

こちらの方法は、DTMなどで歌やギターなどあまり大きなスペースでなくても問題がない場合に有効な方法かと思われます。
最近ではクローゼットの隙間を埋めるのに利用できる隙間テープや、クローゼット内を明るくするスリムなLEDライトなど防音材以外のものも安価で手に入れられるため、DIYが得意でない方でも比較的取り組みやすい方法だと思います。
元々の壁や仕切りの防音性が低い場合は、先ほどご紹介した防音効果を高めるポイントのように、厚みや重さのある防音材を使用するほど効果が高められます。
そのため元々あまり広くない空間に防音効果を持たせようとすると、必然的にさらに部屋が狭くなってしまい、ローゼットの広さなどによっては練習時の快適さが失われてしまう可能性があるため、注意が必要です。
おすすめの対策方法
「コストを抑えて、簡易防音室を作ろう!(初級編)」の記事でご紹介しているように、壁面にはワンタッチ防音壁などの防音ボードを設置し、出入り口にはカーテンなどを用いて仕切っていただく方法がおすすめです。
ワンタッチ防音壁よりも手軽に費用を抑えたい!という方には、「ロックウールボード+遮音シート」「ポリリーフ+遮音シート」というように、それぞれの部材を貼り合わせて、防音ボードをDIYする方法がおすすめ。
・高密度吸音材 ロックウールボード → しっかり対策したい方へおすすめ!
・チクチクしない優しい吸音材 ポリリーフ → 手軽に対策したい方へおすすめ!
・こだわりを詰め込んだオリジナル遮音シート Noisestop(ノイズストップ)15 → 従来取扱品に比べて約1.8倍の遮音効果!
⚫︎設置イメージ
吸音材と遮音シート(必要に応じて+仕上げクロス)は、あらかじめ貼り合わせて1枚のボード状にした上で壁に設置する方法がやりやすくておすすめです。

また、壁一面のような広い範囲を1枚のボードで対策しようとすると、ボード自体の重さに接着(固定)部材が耐えられない場合があるので、対策範囲に対して数枚に分割したサイズのボードを設置する方法がおすすめです。

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方法② 防音室を自作する
2つ目は防音室を自分で作ってしまう方法です。
自分で防音室を作るメリットは、
「(素材にもよりますが・・・)比較的低コストで抑えられること」
「使用する素材によって効果を調節できること」
などが挙げられます。
▼ピアリビングの商品を使用した防音室の自作方法をご紹介!
「ワンタッチ防音壁」「窓用ワンタッチ防音ボード」など、ピアリビングで揃うもので防音室を作る方法もざっくりご紹介します!
詳しい作業内容については、下の記事をご覧ください。
⚫︎防音室のサイズ
内寸:幅800mm 高さ1800mm 奥行900mm
外寸:幅900mm 高さ1850mm 奥行950mm + 天井までのつっぱり部材 角4本
⚫︎使用する部材(出入り口を除く)
- ワンタッチ防音壁 900×900mm 7枚
- LABRICO(ラブリコ)ツーバイ材セット “設置箇所の天井高”サイズ 4本
- 塩ビジョイナー50mm厚 端部用 長さ1800mm 6本
- コニシ 超強力ボンドテープ 巾50mm×10m 1個
⚫︎使用する部材(出入り口)
防音ボードで塞ぐ場合
- 窓用ワンタッチ防音ボード 幅900mm 高さ1850mm
- ツーバイ材 長さ900mm 1本+固定用ビス ※ピアリビングで取扱なし
防音カーテンで塞ぐ場合
- 防音カーテンコーズ 幅900mm以上 丈1850mm以上
- カーテンレール ※ピアリビングで取扱なし
⚫︎作成にかかる費用
- 出入り口を防音ボードで塞ぐ場合 約30万円前後
- 出入り口を防音カーテンで塞ぐ場合 約20万円前後
⚫︎組み立てイメージ:本体

ジョイナーやラブリコ ツーバイ材セットを使用してワンタッチ防音壁を箱状に組み上げます。
⚫︎組み立てイメージ:出入り口

ジョイナーを使用することで、必要に応じて解体→再度組み立てが可能です。
ボンドテープ以外の部材はお好きなサイズに応じてオーダーが可能なのが魅力です。
ぜひ参考にしてみてください!
対策や設置についてのお困りごとは、いつでもお気軽にご相談ください。お待ちしております。
▼約30dB減!?防音室をDIYしたお客様をご紹介!
以前DIY(一部業者協力)で自室を防音室にされたお客様へのインタビューを元に、使用したものや作業の流れをざっくりとご紹介します!
詳しい作業内容については、↓こちらのインタビュー記事をご覧ください。

⚫︎対象の音:ギター(アンプ使用)・オーディオ
⚫︎ご自宅の環境:戸建てで隣の家も離れているとのことですが、ご家族からの苦情から対策を検討されたようです。
⚫︎防音の知識はどこで?:
- ネット→ピアリビングを知ってイベントにも足を運んでくださいました!嬉しいですね!
- 長年通っている楽器店でもご相談されたそうです。
⚫︎対策箇所(自室):壁・窓・ドア・アンプ/スピーカーの背面と床
使用したもの(細かい接着剤や固定部材を除く)
- 石膏ボード
- 2×4(ツーバイフォー)の木材
- 遮音シート「サンダムCZ-12」
- グラスウール吸音材
- ロックウール吸音材
- 静床ライト
- P防振マット
記事内で使用したものの大まかな費用
合計15万円程度 (当時参考価格)
ズバリ!対策後に効果はあった・・・?
なんと、約30dBもの軽減に成功!人間の耳では、10dBで音が半減したように感じると言われているので、これだけの効果を得られるのはすごいです。

対策の詳細をご紹介
壁の対策
業者さんにお願いした壁
構造・・・壁→空気層→遮音シート→石膏ボード(12mm厚)→遮音シート→石膏ボード(12mm厚)
一番大きな壁は思い切って業者さんにご依頼。
壁から少し離した位置から防音壁を作ることで空気層を設け、さらなる防音効果を得られたようです。

ご自身で施工した壁
構造・・・壁→グラスウール(吸音材)→遮音シート→ロックウール(吸音材)
ロックウールはチクチクしてしまうので、クロスやプラダンなどを表面材に用いて工夫されています。

★手軽に防音壁を設置したい!という方には「ワンタッチ防音壁」がおすすめです!
高密度のグラスウール吸音材で遮音シートを挟み込んだサンドイッチ構造が、高い防音効果を発揮します。
壁側はガラスクロスですが、表面は壁紙調や布調のクロスで仕上げるので、チクチクしないのが魅力。
対策したい壁に応じて、1mm単位でお作りします。
窓の対策
構造・・・窓→遮音シート→ロックウール(吸音材)遮音シート→ロックウール(吸音材)
とても丁寧に施工されているのですが、きちんと採寸しても隙間ができてしまい、都度対応されたそうです。

★ピアリビングでは、ワンタッチ防音壁を窓用に改良した「窓用ワンタッチ防音ボード」がおすすめです!
ワンタッチ防音壁と同じ構造なので防音効果はもちろん、採寸いただいた窓枠にぴったりみっちりはまるような設計でお作りしますので、届いたその日に簡単に設置が可能です。
ビス留めなどの固定が不要なので、賃貸でもOK!
ドアの対策
ドア本体の対策と、ドア前の空間をさらに仕切るための壁を作成したそうです。
仕切り壁は突っ張るタイプのツーバイ材を使用し、必要に応じて取り外し(稼働)が出来るそう!すごい!
ドア本体
構造・・・ドア→ロックウール(吸音材)×2枚
ドア前の仕切り壁
構造・・・木枠→ロックウール(吸音材)


◯アンプ/スピーカーの背面と床の対策
背面 構造・・・ロックウール(吸音材)
床 構造・・・静床ライト→合板→P防振マット→合板→床

床の対策は、爆音に対してはあまり効果を感じられなかったそうです。
★ピアリビングでは、床の接地面を最小限にした防振台「ピアノ・ドラムステージ」がおすすめです!
構造は似ていますが、高密度なグラスウールを防音層に採用し、静床ライトを貼った化粧枠(木枠)を上から被せるようにすることで、下記の写真のように床に直接振動が伝わりづらい構造になっています◎

実際に対策をしてみて
途中で難点があったり、実際にやってみてさらなる改善点が見つかったりとDIYを楽しんで施工をされたそうです。
本当にすごいですね。不器用な私には、ここまで完璧に対策できる気は到底しません・・・
こちらのお客様のように、DIYにチャレンジしてみたい!という方はぜひとも参考にしていただきたいです!
ちょっと難しいかも・・・という方は、途中で紹介したような「ワンタッチ防音壁」「窓用ワンタッチ防音ボード」などのパーツを取り付けるだけの商品を活用いただくことで、施工のハードルがグッと下がるのでおすすめです!
方法③ 簡易防音室を購入する
三つ目は既成の防音室を購入する方法です。

DIYなどが苦手な方には、最も手軽に練習空間を作ることができるのでおすすめです。
防音室は高くて大掛かりなもの・・・というイメージがあると思いますが、近年ではピアリビング「おてがるーむ」のような省スペースで簡単に組み立てられる、簡易的な防音室が販売されています。
防音効果やサイズ仕様、組立の難易度などさまざまですので、ご自身のニーズにあった簡易防音室を検討してみてください。
大きな家具ですので、可能な限り楽器店や各社ショールームなどで実物をご覧いただくことをおすすめします!
ピアリビングの「おてがるーむ」のように、実際に防音効果を試すことができる場合もあるので、一見いただくに越したことはありません。
夢の防音室を”手軽”に導入!「おてがるーむ」
先ほどもご紹介した「おてがるーむ」ですが、これ、その名の通り本当に手軽に防音室を導入いただけるんです。
その効果の秘密や設置方法など、さらに詳しくご紹介します!
⚫︎簡易でも高い効果!
構造はこんな感じ。

表面材及び天井・床部分は軽量かつ丈夫なダンボールを採用し、防音層には吸音材で遮音シートを挟み込んだ、ワンタッチ防音壁と同じサンドイッチ構造を採用しています。
遮音シートを内蔵しているのはピアリビングだけ!
※見た目や構造がとても似ている防音室が続々と出てきておりますが、遮音シートを挟んでいるのはピアリビングだけなんです!この違いが防音効果に大きな差を生むのです・・・!

組み立てはパーツを繋ぎ合わせるだけ!
おてがるーむは、商品が届いたその日に組み立てが可能。説明書に沿ってパーツをつなぎ合わせることで、DIYに不慣れな方でも1時間程度で完成します。
パーツ同士は接着しないので、お引越し時など必要に応じて解体→再組み立ても可能!
また、一切工事音が発生しないので、近隣の方に迷惑をかけずに組み立てられます。
ピアリビングでも東京と博多のショールームにておてがるーむご覧いただけますので、お気軽にご来店ください。
もちろん、防音効果のお試しもOK!歌うも叫ぶも、大歓迎です◎
まとめ
ということで今回は歌やギターを自宅で思いっきり練習するための三つの方法をご紹介してみました。
個人的にはDIYで手間をかけすぎるのは好きではないので、クローゼットの一部を防音仕様にして歌う時のみ仕様できるボーカルブースにして割り切って練習していました。
近年ではさまざまな種類の”簡易”の防音室が販売されており、また防音材も昔に比べて簡単に手に入れることができるようになってきているので、自分の求める効果やシーンに合わせてどんな形にも環境を整備することができるため、より歌や楽器が身近なものになっていると思います!
みなさんも楽しい音楽ライフ、防音ライフをお送りください!
よくある質問(FAQ)
Q1.防音対策をする上で重要なポイントは何ですか?
A. 防音効果を効率的に得るためには、「遮音」と「吸音」をバランス良く組み合わせることが重要です。
遮音は音を跳ね返すことで、吸音は音を吸収して和らげることです。
また、音の発生源に近い位置で対策をすること、音が行き来する隙間を極力なくすこと、出来るだけ厚みや重量のあるもので塞ぐこと、そして窓やドアなど音が漏れやすい場所から遠ざけることも効果を高める上で重要です。
空気伝播音と個体伝播音(振動音)では対策の重点が異なる点にも注意が必要です。
Q2. 空気伝播音と振動音の違いは?
A. 空気伝播音(例:歌声、ギターの音)は空気中を伝わる音で、主に壁や天井から漏れます。
一方、振動音(例:ピアノ、ドラムの音)は床や壁を通じて伝わるため、床の防振対策も重要になります。
Q3. 完全な防音室をDIYすることは可能?
A.音は物質や空気を伝うため、完全な防音はいずれの方法でも難しいです。
Q4. 防音DIYでどれくらいの効果が得られる?
A. 適切な材料を使うことで、約30dBの音を減らすことが可能です。
これは、人間の耳で感じる音の半分以下のレベルになると言われています。
Q5. 遮音シートだけでは効果がないのはなぜ?
A. 遮音シートは音の反射を防ぎますが、吸音材と組み合わせないと音が内部で反響してしまい、十分な防音効果が得られません。
そのため、遮音と吸音を組み合わせることが重要です。
Q6. 簡易防音室の組み立ては難しい?
A. 「おてがるーむ」のような製品は、パーツをつなぎ合わせるだけで1時間ほどで組み立て可能です。DIYが苦手な方にもおすすめです。
Q7. 防音室を自作するメリットは何ですか?
A. 防音室を自作する主なメリットは、比較的低コストで済む可能性があることと、使用する素材によって防音効果を自分で調節できることです。
ピアリビングでは、ワンタッチ防音壁などの製品を使った自作方法も紹介されており、DIY好きの方にとっては魅力的な選択肢となります。
Q8. 既製の簡易防音室を購入するメリットは何ですか?
A. 既製の簡易防音室を購入する最大のメリットは、手軽に防音環境を導入できることです。
DIYが苦手な方や、すぐに練習環境を整えたい方におすすめです。
近年では、省スペースで簡単に組み立てられる製品も登場しており、比較的手頃な価格で購入できる場合もあります。
Q9. 簡易防音室を選ぶ際に注意すべき点はありますか?
A. 簡易防音室を選ぶ際には、防音効果、サイズ、組み立ての難易度などを自分のニーズに合わせて検討することが重要です。
可能な限り、楽器店やショールームで実物を見て、防音効果を試すことをおすすめします。
構造や使用されている素材によって防音効果が大きく異なるため、単に価格だけでなく、性能をしっかりと確認することが大切です。
Q10. 防音相談を受けることはできますか?
A. はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします。