「防音するなら、防音工事をしないと効果がなさそう。でも、賃貸だから・・・」
「だからって自分で防音商品を設置しても、効果があるのか不安…」
そんな風に、賃貸だからと防音を諦めていませんか?
完全防音は難しくても、“今までハッキリ聞こえた音がささやき音に聞こえる”レベルであれば、工事なしで自分で防音対策できる可能性があります。
そこで、こちらの記事では、工事なしで自分でできる防音対策を3つご紹介します。
原状回復必須な賃貸でも防音できます!
賃貸物件で防音対策を考えている方の悩みの種として下記のような例が挙げられます。
・防音って、それなりの工事やリフォームが必要そう
・原状回復が必須だから、工事ができない
・自分で防音対策して失敗したらと思うと不安
・手軽にできる防音対策ってどんな方法があるんだろう
・そもそも、手軽な対策でも効果は得られるの?
実際に、ピアリビングの防音相談でも同じようなお声をたくさんいただきます。
でも、アパートやマンションなど、集合住宅にこそ多いのが「騒音問題」。
騒音問題ってトラブルに発展する可能性もあり、対策には少なからずお金がかかるものなので、何かと不安は多いですよね。
例えば、音楽スタジオの防音室のような、ほとんど完全な防音を求めるのであれば、もちろん防音工事をおすすめします。
ただ、生活音レベルの音で、退去時に原状回復が条件である賃貸物件だと工事は難しい…。と諦めているとしたら、
そのお悩み、諦めなくて大丈夫です!
“今までハッキリ聞こえた音がささやき音に聞こえる”レベルであれば、工事なしで自分でも防音対策できる可能性があります。
相談の多い生活音とその伝わり方
最低限の対策でも効率よく、最大限に効果を発揮するために、まずは音が伝わる仕組みをおさらいしましょう。
ピアリビングでは、音を「空気音(空気伝播音)」と「固体音(固体伝播音)」の大きく2種類に分けて解説していきます。
空気音(空気伝播音)
こちらは話し声やテレビの音、ピアノの音色など、空気を介して伝わる音を指します。これらを防音するには、厚み・重み・密度のあるもので音に蓋をするように対策する方法がおすすめです。
また、空気が通る隙間に乗じて音が漏れるため、気密性を高めることも重要です。
さらに、音の反響が気になる場合には、吸音材や家具・ラグなどでの吸音も対策の方法として挙げられます。
固体音(固体伝播音)
こちらは足音や物を落とした音など、衝撃が固体に伝わった際の音を指します。
これらを防音するには、クッション性や厚み・適度な密度のあるもので、衝撃を受け止めて緩和するような対策方法がおすすめです。
衝撃が加わる場所への対策で効果を得られるので、範囲としては局地的な対策で済むのですが、効果を発揮できていなかった場合には、足音の場合は床→壁→天井というように、固体が繋がっている場所全てに振動が伝わってしまうので、正しい対策が必要です。

▼固体音の対策でおすすめの参考記事
賃貸の部屋で簡単に防音できる!防音専門店おすすめの3つの方法
【床編】ラグやマットを敷いて対策しましょう
お子様が遊ぶ音、歩き回る音・・・
猫ちゃんが高いところからジャンプする音・・・
歩行や物の落下など、些細な生活音・・・
ピアリビングのお悩み相談でとても多いのが、足音や物音などの上下階の騒音です。
最近では賃貸物件の多くは床がフローリングになっていますが、やはり硬いフローリングだと柔らかい畳に比べて階下に音が伝わりやすくなります。
床の保護や底冷えの軽減にもつながりますので、何かしらを敷いていただくことをおすすめします。
軽い物音の対策【軽量床衝撃音】
大人の通常の歩行音、カトラリーなどの生活雑貨を落としてしまったりする音程度の軽い物音には、少し厚みとクッション性があるような「防音カーペット」や「防音ラグ」での対策がおすすめです。
歩き方がままならない小さなお子様や衝動的なペットと比べると、大人はある程度音に「気を配る」ことができるため、ニトリさんやカインズさんなどのインテリアホームセンターで市販されているような厚手もラグでも、適度に音の軽減は見込めるのではないかと思います。
また、ミニマリストさんや床に何も敷きたくない!という方は、ソールに厚み(クッション性)のあるスリッパを履くことから始めるのもおすすめです。
ラグを敷く対策とスリッパを敷く対策とで比べるのであれば、ピアリビングとしてはラグを敷く対策がおすすめです。
理由は、対策範囲が局地的なスリッパに比べて、範囲が広いラグは落下物音の対策も可能であることの他にもうひとつ利点があるんです。
それは、反響音の軽減。
硬くて薄い素材では難しいですが、よくあるラグやカーペットであれば、お部屋の音の吸音にも作用してくれるため、反響音の対策にも有効です。また、敷く範囲が広いほど効果的です。
▼反響音の仕組みについてのおすすめ記事
子供の足音や猫のジャンプ音などの大きな衝撃を伴う物音の対策【重量床衝撃音】
ドーンと響く大きな衝撃には、手厚い対策が必要です。
お子様や猫ちゃん、ワンちゃんなどに毎回注意するのも心苦しいですし、家族みんなでのびのびと生活したいものですよね。
衝撃を緩和するためには、それを受け止めるほどのクッション性と厚みがあるものを選びましょう。
例えば、お子様の床対策として用いられやすいのがジョイントマット。コルクマット、パズルマットと呼ばれることもありますね。
これらは、もちろん対策として無意味ではありません。
ただ、これだけでは不十分かもしれません。
ジョイントマットには細かい気泡があり、それらによってクッション性が生まれているのですが、気泡は反発力がある分、繊維のような糸が絡み合っている素材のものに比べると、衝撃吸収力は劣ってしまうのです。

ただ、お子様の食べこぼしやペットによる引っ掻き、汚れなどを考えると、ジョイントマットって何かとお手入れしやすくて何よりも安価で取り替えやすい利点がありますよね。
ピアリビングでは、お手持ちのマットやラグに防音効果を後付け出来る「下敷き用防音マット」をご用意しております。
また、防音マットを下に重ねるのではなく、防音に特化したカーペットやラグを上に重ねて活用する方法もおすすめです。

【床の防音実験しました】子供の足音に効果的な対策をご紹介
上記の動画で、振動音に対する床商品の効果を比較した際、市販のジョイントマットを使った場合は以下の結果となりました。
・ジョイントマットの「上」に静床ライト -12.3dB
・ジョイントマットの「下」に足音マット -10.2dB
結果から見ると、「上層は絶対ジョイントマットが良い!」というこだわりが特に無い場合は、ジョイントマットの上に静床ライトなどの厚手でしっかりとした防音カーペットを重ねる方法をおすすめします。
ただ、わずか2dBほどの差なので「使い勝手から見るとジョイントマットを上にしたい」という方は、下に足音マットをなどのクッション性のある防音マットをご検討いただいても良いかと思います。

1枚で済ませたい方へ
快適防音マット ウッド
12mmという極厚設計で、高密度かつへたりにくい防音層は衝撃吸収に優れており、表面材には耐久性ビニルを採用。汚れや傷に強く、長くお使いいただける防音ラグです。
サンシンフォニー
パイルの裏側に直接吹き付けた約10mmのウレタンは、もっちりみっちりなクッション素材。軽くて敷き込みやすく、サイズもオーダー可能です。

▼おすすめの参考動画
テレビの音や話し声など、空気を伝う音の対策【空気音】
はじめに解説したように、空気音は足音や物音とは有効な対策が異なります。
とはいえ、床は人や家具など諸々の重量に耐えられる厚みと密度を持ち合わせたものですので、通常の会話程度の音量が床伝いに階下に漏れることは、全く無いとは言い切れないものの、あまり無いかと思います。
また、漏れているように感じても、窓から窓を介していたり、壁や配管を介していたり、別の場所からの音漏れが原因の場合もあります。
床からダイレクトに伝わりやすい音は、主に中低音です。
低い声や楽器のベースが体にズーンと響くように、低い音は、高い音に比べて固体に振動が伝わりやすいため、床からの音漏れ対策が必要となるケースが多いです。
音を発しているスピーカーやテレビ自体が微細に振動し、その振動が床を伝うようなイメージです。
比較的低めの声やいびきなども、体が接している床から音が伝わる場合があります。
空気音を防音するには、厚み・重み・密度のあるラグやマットをなるべく広く敷いていただく対策がおすすめです。
床の露出面を少なく蓋をしてしまうように設置することで、音が直接床に届かないようにするイメージです。
その際、敷物の表面はパイルやシャギー、キルティングなどの布地であると、反響音を軽減する吸音効果も得られやすいのでおすすめです。
空気音の遮音におすすめの床アイテム
【窓編】まずはカーテン、しっかり防音ならボード!
薄く隙間が生まれやすいため、音が漏れやすい窓には厚手のカーテン、防音カーテンや防音ボードの設置がおすすめです。
テレビの音や話し声など、通常レベルの生活音【空気音】
これらの対策には、厚手のカーテンや防音カーテンを活用しましょう。
最近ではいろんな場所で手軽に防音カーテンを買うことが可能になりましたね。
価格も質感もさまざまで、どれがいいか迷ってしまう方も多いと思います。
そこで、ピアリビング的防音カーテンを選ぶ際のポイントをご紹介します。
防音カーテンはここを見て!
- 厚みがしっかりあるか
- ずっしり重たいか
- 布は複数枚使われているか
- パリッとした生地じゃないか
簡単に解説しますね。
厚みがあるか・・・例えば、戸棚の目隠しに使うようなペラペラのカーテンでは、ほとんど効果が無いことは皆様もお分かりですよね。なるべくしっかりと生地に厚みのあるものを選びましょう。
ピアリビングの防音カーテンにも、お客様に驚かれるほど厚く重たいものもあります。
「本当に効果があるものが欲しい!」というお客様からの熱いお声から、メーカーさんでもギリギリ縫製できるような厚み・重みの物を作っています。
重たいか・・・音は振動です。この振動を鎮めるためには、ある程度重みのあるものがおすすめです。
※防音カーテンは重たいものが多いため、レールや建具への負荷をあらかじめご確認の上導入いただくことをおすすめします。
布は複数枚使われているか・・・単層構造よりも複数の布を重ねることで物理的に厚みが増すことに加えて、布と布の間に空気層が出来ることで、より音を減衰する効果が高まります。
パリッとした生地じゃないか・・・ちょっと難しいニュアンスかもしれませんが、「遮音カーテン」として販売されていることが多いのがこのパリッとした生地のもの。
生地の密度を上げて硬さを出すことで、遮音シートのように音の抜けを遮る設計なのかなあと思いますが、ひだやレールの隙間から音が漏れやすいので、窓の気密性は隙間テープなどを活用するとして、カーテン自体は、厚みや重みのある布製のもので対策した方が効率的かと思います。
また、カーテン自体が布製であるメリットとしては【床編】で解説した反響音の吸音対策にも有効なのでおすすめです。
ぜひとも、この辺りをチェックして防音カーテンを選んでいただきたいです。
ピアリビングのおすすめ防音カーテン
▶︎レールとの隙間からの音漏れにもピアリビングなら対策できます!
▶︎すでにカーテンをお持ちの方でも「ちょい足し」できる防音カーテン

交通騒音や楽器の音【空気音】
これらの大きな音には、防音カーテンの効果だけでは物足りなく感じるかもしれません。
そこでおすすめなのが窓用ワンタッチ防音ボードです。
吸音材で遮音シートを挟み込んだ構造の防音ボードなので、カーテンで防ぎきれなかった音にも軽減効果が期待できます。
ライブ配信やボイスチャットを使用したゲームなど、ついついヒートアップして声が大きくなってしまう方にもおすすめ。
ご自宅の窓に合わせて1mm単位で手作りするため、窓枠に3.5cm以上の奥行きがあれば、工事・ビス留め・接着不要で設置が可能です。もちろん、必要に応じて脱着OK。

窓用ワンタッチ防音ボード
【窓を閉めた状態で最大15〜20dB減】
吸音性が高いグラスウール吸音材と遮音材で作られた防音ボードで、二重窓と同等の防音効果が期待できます。
窓のサイズに合わせて完全オーダーメイドでお作りします。
【壁編】防音ボードで壁の防音効果を底上げ
皆様、「ラブリコ」ってご存知でしょうか?ラブリコとは、2×4材(木材)を天井から床まで突っ張るように設置する際に使用する部材です。
最近は、ウォールラックの土台としてラブリコと 2×4材が使われたDIY例をSNSで見かけることも多く、ホームセンターやネットでも手軽にご購入いただけます。

ピアリビングではこちらのラブリコと2×4材を使って、壁一面に防音パネルを取り付ける方法をご提案しています。
壁の前にラブリコと2×4材を立て、それらの間に差し込んだ防音パネルを壁に押さえつけるように設置できるので、ビス留めや接着の必要がありません。
賃貸で壁に防音ボードを設置する際には、ぜひこちらのラブリコと2×4材のセットをご活用ください。
テレビの音や話し声、少し大きな音【空気音】
これらには、ワンタッチ防音壁での対策がおすすめです。

ワンタッチ防音壁
【窓編】でご紹介した窓用ワンタッチ防音ボードと同じ防音構造で、話し声程度の生活音を始め、ヒートアップして大きくなってしまった声にも効果的です。
ピアノやギターなどの大きな音に関しては、音が軽減できるほとで、大きく音をカットすることは難しいです。
こちらも1mm単位でオーダーが可能なので、お好きな範囲での対策が可能です。
以前、▲こちらの動画でラブリコと2×4材を使用して防音パネルを設置する方法をYouTubeでご紹介しました。
7畳程度のお部屋の壁一面に防音パネルを設置しましたが、何と2人で5分程度で簡単に設置ができました。

動画でご紹介している防音パネルは「ワンタッチ防音壁」というピアリビングオリジナルの商品です。
「自宅の壁に設置するにはいくらかかるだろう」と費用感が気になる方は、下記ボタンからお見積もりができますのでご活用ください。

【番外編】費用を抑えたいなら、自分で防音ボードを作ってみよう!
ワンタッチ防音壁は金額的にハードルが高い・・・
重たくて設置が大変そう・・・
そんな方には、お好きな吸音材と遮音シートを組み合わせて、オリジナルの防音ボードを作る方法がおすすめです。
反響音だけが気になる場合は吸音材のみでの対策でもOKですが、壁の向こうに抜ける音を防ぎたい場合は、必ず吸音材と遮音シートを併用しましょう。
作り方は簡単3ステップ!
- 吸音材と遮音シートを同じ大きさにカットする
- 接着剤を満遍なく塗布し、吸音材と遮音シートを貼り合わせる
- よーく乾かして完成!

※ワンタッチ防音壁と同じサンドイッチ構造にする場合は、2.の手順で、吸音材で遮音シートを挟み込むように貼り合わせる↓

▼DIYのおすすめ参考動画
ピアリビングの商品でどこまで防音できる?
「賃貸物件でもある程度防音できることが分かったけど、実際の防音効果はどのくらいなの?」
と思う方のために、ピアリビングの商品を使ってどのくらい防音できるのか、過去の床の防音実験の結果を下記のブログでご紹介しています。
【検証】木造で音はどのくらい響く?防音マットで防音実験してみた
「賃貸物件でもある程度防音できることが分かったけど、実際の防音効果はどのくらいなの?」
と思う方のために、ピアリビングの商品を使ってどのくらい防音できるのか、過去の床の防音実験の結果を下記のブログでご紹介しています。
実験データはYouTubeでもアップしているので、良ければご覧ください。
よくある質問
Q1. 賃貸物件でも本当に防音対策は可能ですか?
A. はい、可能です。原状回復が必要な賃貸物件でも、防音カーテンや防音マット、ラグ、防音ボードなど、工事不要で設置できる製品を活用すれば、生活音レベルの騒音を手軽に軽減できます。
Q2. 賃貸の防音対策でまず取り組むべき場所はどこですか?
A. 物音が気になる場合は「床・窓・壁」の順に対策するのが効果的です。 特に床の音は伝わりやすいため、防音ラグやマットの敷設が最優先になります。
話し声や外の音などの漏れが気になる場合は「窓」から検討することをおすすめします。
Q3. 子供やペットの足が階下に響く場合、どんな防音対策が有効ですか?
A. 重量床衝撃音対策として、「静床シリーズ」と「足音マット」の併用が効果的です。1枚で対策したい場合には、クッション性に優れた「快適防音ウッドマット」がおすすめ。 ジョイントマットを使っている場合は、その下に「足音マット」を敷くと効果がございます。
Q4. テレビの音や話し声が気になる場合はどのような対策が必要ですか?
A. 空気音(空気を伝える音)対策として、防音カーテンや厚手ラグ、防音パネルの設置がおすすめです。窓には防音カーテンや防音ボード、壁にはラブリコと2×4材を活用した防音壁の設置が効果的です。
Q5. 防音カーテンはどんな基準で選んでも良いですか?
A. 防音カーテンを選ぶ際は「厚みがある」「重たい」「複数の布層」「硬すぎない生地」であることが重要です。
Q6.手軽にできるDIYの防音ボードの作り方を教えてください。
A. DIYで防音ボードを作る基本的な手順は以下の3ステップです。
- 吸音材と遮音シートを同じ大きさにカットします。
- 接着剤を満遍なく塗布し、吸音材と遮音シートを貼り合わせます。
- サンドイッチ構造にする場合は、吸音材で遮音シートを挟むように貼り合わせます。
- しっかりと乾燥させれば完成です。
Q7.ピアリビングの商品ではどの程度の防音効果が期待できますか?
A. ピアリビングでは、床の防音実験の結果をブログやYouTubeで公開しています。
例えば、床の防音マットセットでは、振動音を-16.0dB軽減する効果が確認されています。
音の種類や建物の構造によって効果は異なりますが、これらの情報を参考に、ご自身の状況に合った対策を検討できます。
Q8. 防音相談を受けることはできますか?
A. はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします。