いざ新居に引越ししたものの「思ったより私の家って、防音性が低いかも」と感じたことはありませんか?それほど防音性が高くない物件だと、周りからの音はもちろん、自分が出す音でトラブルにならないか心配になりますよね…。この記事では、0円でできる簡単なことから最大10万円でできる防音対策まで幅広くご紹介します。
0円でできる対策
「防音」と聞くと、費用がかかるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実はお金をかけなくてもできる工夫がたくさんあります。まずは日常のちょっとした行動を見直すことから始めてみましょう。
(1)近隣の方にご挨拶する

お引越ししたら、可能であれば近所の方にご挨拶することをおすすめします。「一人暮らしをしていて防犯面で極力挨拶したくない」という方もいるかと思うので、もちろん必須ではありません。ただ日頃から近隣の方とコミュニケーションを取ることで、騒音トラブルには発展しづらいかもしれません。
実は音がうるさいと思う心理的な感情と数値で表される音の大きさは相関関係がないと言われています。日頃から顔を合わせて挨拶していると、小さな音でも許容してもらいやすくなる可能性があります。特にお子様のいるご家庭は、近隣との良好な関係づくりが防音対策にもつながります。
(2)テレビの位置を気をつける

テレビの位置を決める際、隣の住居に面する壁や窓からは離しましょう。テレビの音のような空気伝搬音は距離が離れれば離れる程、音は小さくなります。
(3)かかとの着地がやわらぐように歩く

集合住宅では、足音が意外と響きます。かかとを強く打ちつけるような歩き方やひざを使わない歩き方だと音が大きく響いてしまいます。かかとの着地がやわらかぐように、かつひざを使って歩くだけで足音を小さくすることができます。
(4)高さのある本棚を隣の住居に面する壁に置く

本棚は非常に重さがあるため、吸音材(音を吸収してお部屋の反響を防ぐ)や遮音材(音を遮断して音の透過を防ぐ)の代わりとして、隣の住居に面する壁に置くと効果的です。本棚にはできるだけ本を沢山入れておくとより効果的です。
(5)カーテンの開閉音に気をつける
実はカーテンを開け閉めする時の「シャー」という音は、意外と騒音トラブルになりやすいです。特に朝晩はゆっくり静かに開け閉めするように意識しましょう。
(6)ドアの開閉音に気をつける
勢いよくドアを閉めると「バタン!」と響いてしまいます。なるべくゆっくり開け閉めするように心がけましょう。
(7)深夜や早朝に洗濯機を回したり掃除機をかけるのを避ける
洗濯機や掃除機のモーター音や振動音は、想像以上に響きやすいです。できるだけ日中に使用し、深夜や早朝は極力控えるようにしましょう。
(8)掃除機のヘッドが壁に当たらないようにかける

掃除中、掃除機のヘッド部分が壁に「ガツン」と当たると、その音が壁を伝って響きます。壁際を掃除するときは、ぶつからないように注意しましょう。
1,000円以内の防音対策
ちょっとした費用で始められる「プチ防音対策」。100円ショップなどでも手に入るアイテムでも、周りへの音漏れを大きく軽減することができます。
(1)窓やドアのすきまに「すきまテープ」を貼る
窓やドアのわずかなすきまから音が出入りする場合があります。すきまテープを貼ることで、音漏れや外からの騒音を軽減できます。貼るだけの簡単対策で、冷暖房効率のアップにもつながります。
ちなみに1,000円以内ではありませんが、ピアリビングでもすきまテープは販売しています。

すきま用テープN-1
発泡ウレタンフォームを粘着加工したテープです。クーラー取付部、ドア、窓回りのすきまに使用。
(2)クッション性のあるスリッパを履く

特にフローリングのお部屋では、足音が響きやすくなります。クッション性の高いスリッパを履くことで、足音をやわらげることができます。また、スリッパを履くことで無意識のうちに自然と静かに歩く傾向になるとも言われています。
(3)椅子脚カバーをつける

椅子を動かしたときの「ガッ」という音は下の階に伝わってしまいます。脚に椅子脚カバーをつけるたけで音は大きく軽減しますので、ぜひ取り入れることをおすすめします。またそれだけでなく、床のキズ防止にも効果的です。
(4)ドアに戸当たりテープをつける
ドアに戸当たりテープをつけることで、ドアが壁に当たる時の「バタン!!」という音を大きく和らげてくれます。1,000円以内ではありませんが、戸当たりテープもピアリビングで販売しています。

戸当たりテープ
発泡ポリエチレン(特殊発泡体)に粘着加工したテープ。引戸などの戸当り部分に貼り、不快な戸当り音の防止に。
(5)換気口に防音スリーブをつける

換気口から漏れる音を防ぐために換気口のパイプの中に防音スリーブという製品をつける方法があります。こちらの対策は高い音域では効果を得られる可能性があります。ただ換気効率が下がる恐れがあるので、時々窓を開けて換気を行う必要があります。
3,000円以内の防音対策
(1)洗濯機の下に防振ゴムを設置する
洗濯機の稼働音が下の階や近隣に伝わるケースがあります。下に防振ゴムを敷くことで床に伝わる振動を抑えてくれます。
特におすすめは、ピアリビングの「ハイパー防振ゴムマット」や「P防振マット」。P防振マットはカット可能なので、洗濯機の下だけでなく、室外機の振動対策にも使えます。

ハイパー防振ゴムマット
洗濯機や冷蔵庫の振動対策に。高さ調整が必要な場合は2枚重ねて使用も可能。4個入。

P防振マット
洗濯機や室外機などの振動対策に有効な防音マット。サイズは910mm×450mm。厚みは5mm・10mmタイプの2種類を用意。カッターでカット可能。
5,000円以内の防音対策
(1)窓に厚手のカーテンをつける

窓は音の出入りが特に多い場所。厚手のカーテンをつけることで、室内に響く音を吸収し、反響を抑える効果が期待できます。また、窓から外へ漏れる生活音も軽減できます。
最近ではレースカーテンやブラインドだけで過ごす方も増えていますが、防音効果を求めるなら厚手のカーテンがおすすめです。
(2)ドアに厚手のカーテンをつける

ドアもまた、音が漏れやすい場所のひとつ。特に室内ドアは遮音性能が低いため、ドアの前に厚手のカーテンを吊るすことで音の漏れを抑えることができます。質量が増すことで、わずかではありますが遮音性が向上します。
10,000円以内の防音対策
(1)カーテンの裏に防音ライナーをつける
今使っているカーテンの裏に吊るすだけで質量を増やすことができるので、遮音性能をプラスすることが可能です。明らかな音の軽減が見込める訳ではありませんが、「少し音が和らいで聞こえる」ということが体感いただけるかと思います。

かんたん防音ライナー
カーテンの裏に取り付けるだけで防音できるアイテム。断熱や遮光機能もあり。既成サイズとオーダーサイズを用意。
(2)お部屋の一部にカーペットやアンダーマットを敷く
お部屋の中でもよく過ごす場所だけにカーペットを敷く方法も効果的です。例えば、物を落とした音や椅子を引きずる音(軽量床衝撃音)などは、カーペットを敷くだけで大きく軽減できます。
すでにカーペットをお持ちの場合は、下記の下敷き用防音マット「アンダーラグ」で防音性をプラスすることができます。

下敷き用防音マット「アンダーラグ」
速乾性に優れた下敷き用防音マット。軽量物の落下音を軽減し、通常のラグの下に敷ける2サイズ(170cm×170cm・170cm×230cm)を展開。
30,000円以内の防音対策
(1)お部屋一面にカーペットやラグを敷く(10畳の場合)

予算を30,000円に引き上げることで、お部屋の床全面にカーペットやラグを敷くことができます。先ほどお伝えしたように、カーペットやラグを敷くことで軽量物を落とした時の音を大きく軽減できます。
(2)ドアに防音カーテンをつける
ドアに防音カーテンを設置することで、ドアから漏れる音を遮断してくれます。以前こちらの動画でドアの前に防音カーテンを設置して防音実験を行っているので、良ければご覧ください。

防音カーテン「コーズプレミア」
ピアリビングで人気No.1の防音カーテン。3枚の布を縫い合わせた厚みのある仕様で、重量感が特徴。光沢のある上品なデザインに加え、優れた遮光・断熱効果を発揮。既製サイズとオーダーサイズを用意。
50,000円以内の防音対策
(1)窓に防音カーテンをつける
話し声、ペットの鳴き声、楽器の音など、窓から漏れやすい音への対策には防音カーテンが効果的です。特に高い音域には効果的で、最大で約10dBの防音効果が期待できます。

防音カーテン「コーズプレミア」
ピアリビングで人気No.1の防音カーテン。3枚の布を縫い合わせた厚みのある仕様で、重量感が特徴。光沢のある上品なデザインに加え、優れた遮光・断熱効果を発揮。既製サイズとオーダーサイズを用意。
ただし、車の走行音や重低音などの低音域の音には効果が非常に感じられづらいため、二重窓の施工や窓に設置する防音ボード(窓用ワンタッチ防音ボード)をおすすめしています。

窓用ワンタッチ防音ボード
高密度のグラスウール吸音材と遮音材を使用した防音ボード。最大20dBの防音効果が期待できる。窓のサイズに合わせたオーダーメイド製作で、賃貸でも設置可能。取手付きで取り外しも簡単。
(2)窓に防音レースカーテンをつける
通常レースカーテンは非常に薄く軽い物が多いので、レースカーテンを防音仕様にすることも効果的です。ピアリビングの防音レースカーテンは一般的なレースカーテンに比べて2〜3倍近い重さがあるので、窓から漏れる音を和らげてくれます。特に高い音については、最大で5dB程度の効果(単体性能)も期待できます。

防音レースカーテン「トルモア」
防音・UVカット率99%・高い断熱保温効果で冷暖房効率を向上。遮像効果も備えた多機能レースカーテン。既製サイズとオーダーサイズを展開。
(3)お部屋の一部に防音ラグを敷く
ダイニングやリビングなど、よく使う場所に防音ラグを1枚敷くだけでも効果があります。たとえば「快適防音マットウッド」のようなラグは、ピアリビングで販売している防音マットの中では非常に優れており、190cm×190cmや190cm×240cmといったサイズはダイニングテーブルの下やお子様の遊び場にもぴったりです。

防音マット「快適防音マットウッド」
ベルギー産の表面材を使用したフローリング調の防音マット。ΔLL-6の高い防音効果を発揮し、本物の木目を再現した高級感のあるデザイン。70cm×160cm、190cm×190cm、190cm×240cmの3サイズを展開。
100,000円以内の防音対策
(1)お部屋一面に防音カーペットを敷く(10畳の場合)
お部屋一面に防音カーペットを敷くことで、スプーンを落とす音や足音、また子供が走る音などの大きな衝撃がある音についても多少効果を期待することができます。

防音タイルカーペット「静床ライト」
特殊な3重構造で下の階への生活音を軽減する50cm角の防音タイルカーペット。LL-40の防音効果を備え、防ダニ加工や保温・断熱性もあり。豊富な11色展開。
もし既にお部屋一面にカーペットを敷いている場合は、カーペットの下に敷く下敷き用防音マット「足音マット」がおすすめです。

下敷き用防音マット「足音マット」
3層構造で足音による振動を抑える下敷き用防音マット。50cm×100cmサイズ、または100cm幅のロールで販売。カッターで簡単にカット可能。
(2)防音ボードを設置する(腰窓の場合)
交通騒音や楽器の防音を検討されている方は、窓に設置する防音ボード「窓用ワンタッチ防音ボード」がおすすめです。最大で20dB近い防音効果を期待することができます。

窓用ワンタッチ防音ボード
吸音性が高いグラスウール吸音材と遮音材で作られた防音ボードで、二重窓と同等の防音効果が期待できます。窓のサイズに合わせてオーダーメイドで製作。
よくある質問
賃貸マンションでもできる防音対策はありますか?
はい、多くの対策が壁や床を傷つけずに賃貸でも対応が可能です。気軽に始められる対策としては、すき間テープや戸当たりテープを貼る、椅子脚カバーを使用する、厚手のスリッパを履く、厚手のカーテンを設置するなどが挙げられます。もう少しお金をかけて対策するのであれば、防音カーテンを設置したり、防音カーペットを敷くなどの対策が考えられます。
引越し後に足音が気になるときの防音グッズは?
クッション性のあるスリッパを履くことで、足音を和らげてくれます。また、スリッパを履くことで無意識のうちに自然と静かに歩く傾向になるとも言われています。
窓からの外部騒音を抑えるにはどうしたらいいですか?
比較的高い音を防ぎたい場合は、カーテンの裏に取り付ける防音ライナーや防音レースカーテン、防音カーテンが効果的です。交通騒音などの低音域の防音であれば、窓に設置する防音ボード(窓用ワンタッチ防音ボード)がおすすめです。
引越し後の防音対策はどの順番で進めればいい?
まずはお金をかけずにできること(近所の方へのご挨拶、家具配置、歩き方に気を付けるなど)→低価格の防音グッズ導入(すき間テープ・椅子脚カバー・クッション性のあるスリッパ)→その後予算に応じた本格対策(防音カーペット・ボード設置)と段階的に進めるのがおすすめです。
まとめ
引越し後に「音、思ったより響くかも…」と感じるのは珍しいことではありません。特に防音性が高くない物件では、生活音が近隣に伝わりやすく、思わぬトラブルのきっかけになることも。
でも実は無料でできるちょっとした工夫で騒音トラブルは防ぐことができますし、予算に合わせて少しずつグレードアップしていくことも可能です。
まずは日々の音の出し方を見直してみることから。そこにスリッパやカーテン、防音マットなどのアイテムをプラスすることで、ぐっと快適な住環境に近づけます。「これならできそう」と思える対策から、無理なく取り入れてみることをおすすめします。
今回の内容は下記のYoutubeでもご紹介しています。